今さら言うまでもなくあの有名なシェイクスピアの話の映画化なんですが、どうやら私はこの話の内容を勘違いをしていたらしい。
見る前までは1ポンドの肉を担保にしたシャイロックが一方的に悪いと思っていましたが、見終わってからは、最終的に悪いのは、ユダヤ人というだけで差別し、唾をはいたアントーニオや色ボケしたバッサーニオ、ずる賢いポーシャ達などなど・・・なんじゃないだろうかと。
実際にはやり過ぎであるがシャイロックが担保に肉を請求したいという気持ちもわからないでもない。
ハッピーエンドって感じでラストシーンをむかえたが、男は女を、女は男を求めるためにと言ってもいいくらい、みんなで屁理屈をつけてユダヤ人を差別し、いじめる話を見たという感じがした。
やってる事は、規模が違うだけで『シンドラーのリスト』のホロコーストと変わらない。
シャイロックの
ユダヤ人には目がないか?
手がないのか?
内蔵や体つき
感覚 感情 情熱
食べ物が違うか?
刃物で傷つかないか?
同じ病気にかからず
同じ薬で治らないか?
同じ季節の暑さ寒さが
キリスト教徒と違うか?
針で刺しても血が出ないか?
くすぐっても笑わないか?
毒を盛っても死なないか?
迫害されても
復讐しないのか?
それだって
あんたたちと同じだ
ユダヤ人に迫害されたら
どうする?
復讐か?
我々だって迫害されたら
同じことさ
キリスト教を見習い
復讐する
お前たちの仕打ちを
真似してやる
どれだけ苦労しても
お手本より上手にやるぞ
と叫んだ声がとても痛かった。
ただ、ストーリーはかなりこきおろす事ばかり書いたが、シャイロックを演じたアル・パチーノをはじめ、役者陣の演技はもちろん、町並みや衣装、音楽なんかもその頃の時代を感じる事が出来て素晴らしい作品になっています。
ヴェニスの商人